人工的にクモの糸と同じような性質を持つ糸の研究があります。
クモの糸はベトベトしていますが、どうやって集めるのでしょうか。
クモの糸は丈夫です。
もちろん人間の力ではひとたまりもありませんが、太さ0.01センチメートルのオニグモの糸は、80グラムの重に耐えるといいます。
そのうえ、ゴムのようによく伸びます。
だからこそ、黄金虫のような大きな虫がかかってジタパタしても、なかなか切れないのです。
それほど丈夫な糸を、人間がほうっておくわけはありません。
そのむかし、クモの糸で靴下や手袋を編んで王様や女王様に贈ったという話が残っています。
外国には金色の糸を出すクモがいますから、それはそれは高級なものだったにちがいありません。
でも、残念ながらカイコの作る絹系のように量産化することはできませんでした。
なぜなら、糸を取るためにクモをたくさん飼うにしても、クモのエサの生きた虫を確保するのはたいへんだし、その上、クモは仲間同士、仲が悪いときているからです。
クモの糸でシャツやセーターを作ったら、保温性抜群で伸び縮み自由、一歳から五歳までフリーサイズなんていう、便利なものができるのかもしれません。